「富岳」成果創出加速プログラム・領域1

全原子・粗視化分子動力学による細胞内分子動態の解明

研究目的

スーパーコンピュータ「富岳」を用いた分子動力学シミュレーションを行い、細胞内環境における蛋白質や核酸などの生体高分子の機能を解明する。全原子と粗視化モデルを用いた超並列計算を行い、大規模な生体分子系の長時間にわたる動態を調べる。粗視化モデルのパラメタを機械学習などのデータ科学の手法で最適化し、信頼性の高いシミュレーションを行うとともに、計測実験と比較し、生命科学の新しい知見を得る。

実施体制

杉田有治 国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター
河野秀俊 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所
高田彰二 国立大学法人京都大学大学院理学研究科生物科学専攻
篠田渉 国立大学法人岡山大学異分野基礎科学研究所
篠田恵子 国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科
松永康佑 国立大学法人埼玉大学大学院理工学研究科
北尾彰朗 (研究協力者) 国立大学法人東京工業大学生命理工学院

実施内容

  1. 全原子・粗視化MDの最適化と並列化

    1. GENESISの最適化と並列化(理研・杉田)

    2. 粗視化モデルSPICA-FFの開発(岡山大・篠田)

  2. データ科学的手法による粗視化モデルパラメタの最適化

    1. データ同化によるシミュレーションと実験データの統合(埼玉大・松永)

    2. 粗視化モデルCafeMolのパラメタ最適化(京大・高田)

  3. 生体分子系のモデリングと「富岳」を用いたシミュレーション

    1. 細胞内分子混雑と液液相分離(理研・杉田)

    2. 遺伝子転写機構の解明(京大・高田)

    3. 核内蛋白質・核酸複合体の動的モデリング(量研機構・河野)

    4. ウイルス(岡山大・篠田)

    5. 多剤排出トランスポータの分子動力学シミュレーション(東大・篠田)

  4. プロジェクトの総合的推進


研究会/セミナー

  • ワークショプ
    2021年11月18日(木)〜11月19日(金)

    “Symposium on Computer Simulations and Cryo-ET/EM of Complex Biomolecular SystemsThe 1st Fugaku Bio-supercomputing Workshop on Cellular-scale Molecular Dynamics Simulations”

    Chen Song(北京大学), 杉田 有治(理研), 高田 彰二(京大)
  • ワークショプ
    2021年1月6日(水)〜1月7日(木)

    “The 1st Fugaku Bio-supercomputing Workshop on Cellular-scale Molecular Dynamics Simulations”

    杉田 有治(理研), 高田 彰二(京大)

研究成果

学会誌・雑誌等における論文掲載および書籍
口頭・ポスター発表
アウトリーチ活動等